いつか、またどこかで会おうよ

こんにちは、金益見(きむいっきょん)です。

デート<講義

「歴史文化入門」というリレー講義で、夜間中学生が書いた「えんぴつポスター」の話をした。

 

『やる気とか元気のでるえんぴつポスター』は、拙著のなかでもとても思い入れのある本で、その本の内容を元に講義をした。

 

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『やる気とか元気がでる えんぴつポスター』金益見 | 単行本 - 文藝春秋BOOKS

 

現在、夜間中学校には不登校だった学生さんやニューカマーの方など、いろんな中学生がいる。

私がその時取り上げたのは、戦後の混乱期に教育を受けられなかった方々。つまり現在70~80代の夜間中学生。

その方々が綴った言葉を元に、文字が持つ力の話をした。

 

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すると、なんと!その講義をきっかけに、ある学生さんがお爺ちゃんとお婆ちゃんに会いに行ったという。

 

リレー講義だったので、私がちゃんと読んでいるかどうかの不安を抱きつつも、彼女はマークシートにその旨を書いてくれた(一文字逃さず読んでますよ)。

 

講義で1時間半、自分が体得したことを話す。

 

映画一本分の時間、若い人たちを拘束しているわけだから、とにかく全力で伝わるように伝える。

 

すると、そこから何かを受け取った学生さんが自分で自分の心や手足を動かして、新しいことに興味を持ったり、誰かに会いに行ったりする。

 

そういうことに私は感動して、また自身の身体を動かして精一杯の力で講義する。

 

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「講義中写真」

講義の時に写真を撮られることがないから、これしかないんですが、何かをものすごく伝えようとしていることは伝わるかなと(慶應のゲスト講義の時に小川克彦先生が撮影してくださった)(それにしても、なんやこのポーズ)。

 

 

私は、「ひとを動かすことはできない」と思っている。

 

この世で唯一、自分の意思で動かすことのできるものは、自分の身体だけだ。

 

「感動」は感じて動くって書くくらいだから、感動をきっかけになんらかの行動をするひとはいるだろう。

でもそれって、きっかけは何であれ、動いたのはその人自身だ。

 

学生さんは、会いに行った。

お爺ちゃんとお婆ちゃんに。

 

それを受けて私は、また背筋を伸ばした。

 

 

本音を書くと、人前で話すん、怖い。

 

みんな生きてるから、反応はダイレクトに返ってくるし、私も生き物なので言葉にできないものを常に受け取っている。

 

いつも、教室入る前に呼吸を整える。

そしてドアを開ける時、「エイヤッ!」と気を引き締めて勇気を出す。

そうやって自分を鼓舞させながら講義を続けてきたら、講義が好きになった。

 

 

後期最後の授業で、

「私の講義を聴いてくれてありがとう。こんなに好きなことをさせてくれてありがとう」

と挨拶すると、学生さんは笑ってくれた。

包んでくれるような笑い声(生き物なので、面白い笑いと馬鹿にした笑いと包む笑いの区別はつく)だった。

 

三度の飯より講義が好きだと言ったら大げさだけど、「毎日デートする」のと「毎日講義する」のだったら、毎日講義することを選ぶくらい講義が好きだ。

 

講義がもし人間だったら、結婚申し込んじゃうな!

 

講義!

愛してるぜ!

一生一緒にいてくれや!

www.youtube.com

 

 

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